CANADAという国。

カナダから帰ってきて思うことをつらつら書いてみます。

最初の印象と一番変わったのは、金髪白人のカナダ人ってイメージ。
実際skytrainって電車乗っててもbus乗ってても金髪なんてほぼ出くわさないし、私が住んでたBurnavyなんてほぼ中東とか、南米とか、アジアにルーツを持つ人ばっかりだった。
だから肌は褐色、もしくは日本人と同じ色。髪は黒~茶色が多い。というかほとんどそう。

カナダ人って不思議で、私が自己紹介するときに、「日本人」っていうのと同じ普通さで、
「~系カナダ人」っていう。イタリア系とかフィリピン系とかチャイニーズ系とか。

それと共に、移民が本当に多い国だから、「~年前からカナダ人」って追加説明がつく。
生まれた時から日本人で、今も変わらず日本人の私はその説明にいつも違和感を感じてた。

特にタクシーの運転手は十中八九移民で、聞くと出自を話してくれる。
一回話した運転手さんは「イラクから来た。戦争が始まった時に逃げてきたんだ」と言ってたし、
別の運転手さんは「メキシコから来た。カナダの方が安全だし、稼げるしね」と言ってた。

かく言う私のホストファザーも移民系で、ホストファザーの父親が中国生まれ、マレーシアで働き、カナダに居ついた人だから、ホストファザーは中国語・英語の二ヶ国語、そのお父さんは加えてマレー語が話せる。

ちなみにホストマザーはカナダ生まれカナダ育ちだけど2世代前くらいをたどればルーツはイギリスらしい。

色々聞いても最初どゆこと??国籍2つも3つも持ってるってなに??って感じやったんやけど、バンクーバーで生活していくうちに、だんだんこの国の輪郭が見えてきた気がした。

☆いい面で言えばもちろん寛大な国であるってこと。
通勤通学に使うskytrainの中でもcafeでもスーパーでも常に英語が聞こえないくらいに、アラビア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、韓国語、中国語、もちろん日本語が飛び交ってるし、
英語がたどたどしいnon nativeでも、当たり前にそこで生活してるし困ることもない。

街を歩けば和食からインド、中国、イタリア、メキシコはもちろんブラジル、ギリシャ、韓国と世界の料理が気軽に食べられる。私もギリシャ料理は初めて食べた。

入国に厳しいアメリカの隣にあるからさらにその寛容さが浮きだって見える。
基本的にはキリスト教なんやけど、仏教徒もイスラム教徒もなにも気にせず暮らせるのはやっぱりそんなカナダだから。ターバンまいてひげ長い’アラブ’的な人達よく見かける。
(9.11があってから、中東からではなく、アメリカからカナダに移住する人がすごく増えたらしい)

自然は美しいし国土は広いし、通貨もそこまで高くないし住みやすいとは、思う。

☆でも一方、そうした’多様性’があだになってる部分もある。
例えば、文化ってものに言及した時に、新しい国だけに固有の’This is canada’ってもんがすごく少ない、というかない。

ハロウィーンも、クリスマスも元旦も、いうなれば’カナダ流’じゃなくて’各家庭流’。

日本でもそうやけど、完全に広告のための行事化してる部分も半分。
クリスマス・・パスタ食べるとこもあるし、ターキー食べるとこもあるし、そもそもキリスト教には関係ないチャイナタウンでは関連商品も売り出されなかったり。

私のホストマザーは敬虔なキリスト教徒やったから、子供たちは教会に歌いに行ってたけど。
(でもホストファザーはキリスト教徒でもないから行かない。)

せっかくカナダ行って、外国料理ばっかり食べるのもなんやし・・って思ってホストマザーとかと話したけど、カナダ料理っていえるものなんてあんまりない、とのこと。
というか多国籍料理=カナダ料理って言われた。

結局そういう経緯で、カナダ式がないって知って、2010年の新年はスペイン式に、フォアグラ食べて、ブドウを除夜の鐘的なものに合わせて1つずつ12粒食べるっていう方法で迎えたんやけどね。

文化が多様っていうのはいいように聞こえるけど、彼らはそこに劣等感、というか正確に言うと独自性のある文化や歴史のある国への憧憬みたいなのをもってると私は感じた。

そしてそういう’文化的’な国、国民になりたいって意識が強いなぁとも。

接してみたらわかると思うけど彼らは’とにかく’アメリカ人と一緒にされるのを嫌う。
他の地域の人にはすごく寛容なんだけど、野蛮、適当、礼節のない奴ら。的なイメージをすぐ口にする。まぁ何を言ったところで経済的には切り離せない関係だし、ハリウッドの映画スターがカナダ出身なんてざらにあるしピザとコークをよく見かけるし、ゆーても文化は同じじゃない?
ってこっちとしては思ったりするんやけど、’絶対違う’と主張する。

その根拠は色々で、時には’カナダは王室をもってるし、イギリスから続く長い歴史がある’(←カナダは連邦立憲君主制国家で、英連邦の国。王室はイングランドと同じでエリザベス女王統治下だけど、カナダ総督が治めている。って形をとっている。)と主張する人もいるし、ここ何件かの戦争を引き合いにだして、カナダはアメリカほど無知じゃないし多文化を阻害しない。って主張する人もいる。

私からすると、わかる部分も多いんだけど、やっぱりそんな違う?ってなる。

でも、ここにカナダの難しさが現れてて、
同じルーツがない国民。見た目も違う、歴史もない。宗教も違う。毎年たくさんの移民がカナダ人になる。だからカナダ国民としてよりどころにできるものが少ない。多様性が特徴っていえばそうやけどつかみどころがない。他国との差異化が難しい。だから文化や歴史にあこがれる。歴史のあるヨーロッパ諸国や日本への尊敬の念も大きい。
反対に同じくらいの歴史の浅さで、同じ地域、文化があるアメリカに対しては徹底的にライバル感情、っていうより軽蔑くらいの感情かも。

だらだら書いたけど、カナダで感じたのはそんなこと。

留学前は、カナダ、多様性があってどんな文化背景の人も受け入れるって最高の国やん!!って思ってたけど、向こうで色々な人と話して、日本人!って言いきれる独自の文化や歴史、言語だって、すごくいいものに見えてきた。自分がなんであるか、っていうアイデンてティが揺らがないって幸せなことなんだって。近所の人と、もうすぐお盆やから墓参りに帰省するんですー。ウチもですー。とか、お孫さん、七五三ですねーとかたわいもない会話できるのも、同じ文化的背景を当たり前にもってるからで、それを意識せんでもいいってやっぱり幸せなことやって実感した。

一長一短とはこのことで、遠くから見たら桃源郷に見える国も、実際そこに身を置いてみると外からでは見えにくいしんどさがあるんやって、改めて実感したし、

やっぱり他人から聞きかじった情報とか、テレビで見た、編集された情報なんかあてにならなくて、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じないと本当のことなんかなにも’わから’ないなーと痛感した留学でした。

カナダは国土が広くて、今回トロントの方とか、フランス語圏のケベックとかいけてないからまた次回、come backしたいと思います。

以上!

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