インドの女性達(1)

12月に起きたインドでの女性レイプ事件関連で思うことを。












●2012年12月16日 インドの大都市デリ-で23才の女性が酔っぱらった6人の男にレイプされるという事件がおこった。

特筆すべきはこの事件が深夜の人通りの少ない路地裏で行われたことではなく、
白昼堂々たくさんの人が乗りあうバスの中で起こった事件であること。

更にこの性暴力が行われていた間、鉄の棒で殴るなどの明らかな暴行があったにも関わらず同乗者は誰も止めにはいらなかったこと。

結局、裸同然でバスから人通りの多い道に放り出された彼女に、警察からも通行人からも手は差し伸べられず・・

残虐な行為で臓器不全に陥っていた彼女は処置の遅れもあり数日後に病院で亡くなった。

事件のあまりの残虐性にインドの女性は大規模なデモを起こしてこの国で女性のおかれている状況を世界に問いかけている-

なぜ。2012年にこんな残虐なことがおこりえるのだろう‐

なぜ、レイプなんか。
なぜ、白昼堂々。
なぜ、恨みもない彼女を。
最初の憤りはもちろん彼女を殺した犯罪者たちに。

・・でも、すぐに私の憤りは犯罪者たちだけでなく、周囲のインド人に及ぶ。

なぜ、バスの同乗者は誰も止めなかったのだろう。
なぜ、誰もすぐに病院へ運びこまなかったのだろう。

誰かが止めていれば、若しくはバスを止めて彼女ではなく犯罪者を放り出せば、彼女が亡くなることはなかった。

つまり、1人の狂気では済ませられない事件。

本当に日本の感覚で考えるとわけのわからない、怒りしかわかない事件。


わからないことをそのままにしておくのは気持ちが悪く、この事件はその後ずっと私の頭の片隅にべったりはりついていた。

実際インドでこういった女性に対する暴力行為はかなり日常的に起きていることは知っていた。

夫に先立たれた時に周囲の人間が妻に対し殉死(焼身自殺)を迫る‘サティ’という古い伝統があり、
一部地域では未だ残っていて実際に強要されて亡くなる人がいると聞いたこともあった。

少し前には、求婚を断られた男性が腹いせに女性の顏に硫酸を浴びせかけて
顔の形が変わるほどの火傷をさせた事件もニュースで騒がれていた。

また、日本からインドに赴き子供達を救助しているNPOの活動を通して、
インドでは売春宿に売るために10才にもならない女の子を誘拐する事件が頻発していることも知っていた。

ただ、こんな事件が起こるまで’何が原因で’そういうことが起きるのかについては知ろうともしてなかった。

つまり、別世界の出来事として捉えて今までちゃんと考えたことはなかった。。反省。

自分と2つしか変わらない23歳の一般女性が、乗合の普通のバスで被害者になって初めて、
「えッこわ!どゆこと?なんでなんで?」と問題の深刻さに気づいて真面目に考え始めた次第です。

▼▽▼▽
さて、日本を含め他の国でも歴史をずーーーっと遡れば、
根拠のない迷信を基に神の怒りを静めるいけにえに女性を選ぶ様な人権侵害はあったのだろう。

・・・でも今は21世紀。

経済発展も遂げつつある、法律も整っているインドで人間性を否定するような時件が起きた。

-なぜ「この時代になってもインドでは」女性の立場が弱いんでしょう?


長くなってきたので投稿2回に分けます。
続きの考察編は次回投稿で                 >>> つづく。 

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